「決して最後まであきらめない」という精神の大切さ。
私がハワイで学んできた最も大切なことですが、オリンピックでそれを再確認しました。ハワイではゴール前で倒れながらも、這いながらゴールするアスリートを何度も見てきました。お互い目一杯だったかもしれませんが、ウイットフィールド選手に比べ、フロデノ選手の方があきらめない気持ちとその精神が上回っていたように見えました。
メダル争いに絡まなかったアスリート達の中には、順位に関係なくガッツポーズでゴールに入る選手が何人かいました。他のスポーツにはない「完走した誰もが勝者」という光景。トライアスロンは、気持ちを強く持ち、最後まで頑張り通せば、充実感や達成感は大きく、とてもさわやかな気分になれると思っています。
さらに、最終ランナーとして帰ってきたカナダの選手は、ゴール前のスタンドに向かって笑顔で手を振りながらのゴール。トライアスロンならではの光景でした。これは他のスポーツにはない、トライアスロンの奥深さを伝えるシーンと思えました。
現在、国内ではジュニアや学生からはじめる選手は、51.5kmの世界で競技としてトライアスロンを楽しみ、また30〜60歳代から自分自身にチャレンジするアスリートも増えているます。
体力的には20歳代のアスリートが断然強いと思いますが、社会でいろいろなことを経験してきている方々は「決して最後まであきらめない」という精神を生きてくる中で身につけ、普段から仕事などで常にキープしているかもしれません。また、国内でも社会で成功してきた方々がトライアスロンを始めるようになってきましたが、普通の人の努力を努力と思わず、改善点や課題をごく当たり前のように淡々とこなしたり、厳しい局面を乗り越えるために、常にどうしたら良いかを考え工夫したり、その時その時を楽しむ気持ちを持てる方々が多く、それらはトライアスロンでとても生かされることと思います。
トライアスロンを長く継続していくと、楽しいことばかりではなく、辛いことや苦しいこともあるかと思います。そのような時、「決して最後まであきらめない精神」や「どんな時も楽しむ気持ち」を持って突き進んで行けば、必ずその夢や目標は達成できることと思います。
そして、そういう大切な部分は、きっといつの時代になってもトライアスロンの原点であり、レベルや世代、ショート、ロングを超越して変わらないものであり続けるだろうし、難しいようだけど、全てのトライアスリートが持つことができる精神だと思っています。
【経歴】
ナチュラルエナジー代表
アイアンマンハワイ14年連続完走達成(1991〜2004)
トライアスロン(ロング)通算53レース完走達成(1989〜2011)
全日本トライアスロン宮古島大会アドバイザー