チリ落盤事故作業員のNYシティーマラソン完走について

2010年11月10日

世界3大市民マラソンの1つ、ニューヨークシティー・マラソンが7日に行われ、チリ鉱山落盤事故作業員のひとりが一般ランナーとして出場し完走を果たした。

落盤事故に遭遇したこと、坑道を毎日走り続けたこと、無事に救出されたこと、そしてNYシティーマラソンに初出場し完走したこと・・・
彼にとってはマラソンを終えた今感じていることは、あの事故が起こらなければ全く違ったものになっていたのだと思う。

ごく普通の鉱山作業員であった彼らたちが落盤事故により69日間にも及ぶ地下生活に耐え抜き無事救出された。全世界が注目し、一作業員であったペナさんの人生は一変した。
「困難を乗り越える勇気や強さを人々に持ってほしい」と、世界中へと発信された彼の言葉は、ただのニュースに留まらず私たちの感情を動かし、またそこから誰かの人生や価値観が変わるかもしれないと思うと、熱い感情が込みあげてくる。

過酷な地下生活を終えやっと地上生活に戻った彼が、再び過酷なフルマラソン出場を切望し自分自身との戦いや体の痛みに耐え見事完走できたのは、彼の経験と一人でも多くの人たちに「どんな状況でも勇気や強さをもって困難に打ち勝ってほしい」というメッセージを届けたいという強い思いがあったからこそだと思う。
苦しいときにたくさんの人から支えられ、一人ではないと実感し、仲間と共に困難を乗り越えた彼だからこそ世界中の人々の心に響く姿や言葉なのだと思う。

言葉だけでなくそれを証明する状況や行動がそこに重なるとき、人種や言葉の壁を越えてより多くの人々の心の奥まで届き働きかけ記憶に残るのだろう。
今回の彼の行動で、「最後まで諦めないこと、勇気や強さを持ち困難に立ち向かうこと」の大切さや意味を改めて実感し、自分の人生に生かしていきたいと強く思う。

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